H30 第2回親の学び講座・むつみ会委員会
期日:平成30年12月1日(土)
会場:第1体育館、視聴覚室
1.むつみ会会長挨拶・講師紹介
2.第2回「親の学び講座」14:00~15:20(第1体育館)
演題:「睡眠習慣の改善により向上する心身の健康と学力」
講師:富山大学 理事・副学長 神川 康子 氏
講演要旨
・日本の子どもたちは先進国の中で最も夜更かしで、睡眠時間・質ともに低下している。親が睡眠を疎かにしていると子どもの睡眠不足にもつながり、日頃から健康を考える家庭教育が大切だ。
・脳の海馬は睡眠時間の長さによって体積が違ってくる。生活リズムの影響を受けやすいということで、平日と休日のリズムを崩さないことが大切だ。充分な睡眠と昼間の活動がしっかり出来ている脳の海馬はよく働き、記憶をとどめることができる。また睡眠によって神経細胞同士が新しくつながりやすくなる。受験期には睡眠時間を削って勉強をしがちだが、受験期こそしっかりと睡眠時間を取った方が良い。そのためには一日24時間の生活時間内で優先順位をつけ、いかに自己管理していくか重要になってくる。
・睡眠不足の状態を睡眠負債と言う。睡眠負債が増えると、気づかないうちに1,2秒のマイクロスリープが起こる。これが原因でさまざまな事故が起こっている。また睡眠の質の低下で感情のコントロールが効かなくなるなど、心の不安定を招き、やる気・意欲の低下にもつながる。
・体を動かすなど昼の活動がしっかり出来ていれば、脳の海馬に栄養が行き届き記憶をとどめることが出来る。朝の光(日光)、食事や運動のどれ一つ欠けても脳の健康状態にはよくない。食事は咬むことで脳に刺激を与え、海馬に新しい神経が生まれる。朝の光(日光)を浴びることでビタミンDによる骨の形成を助け、また脳の炎症をブロックする働きもある。
・睡眠不足は不登校にも関わってくる。不登校になる原因には友人関係、寝不足、成績不振、学校や部活動、クラスに馴染めないなど様々な要因があるが、中でも友人関係と寝不足はセットで崩れてくる。夜中のメール返信やラインのやり取りなどは、自分の生活リズムだけでなく相手の生活リズムも崩すことになる。睡眠時間が不足するとコルチゾールというストレスホルモンが分泌され、イライラにつながり、寝起きが悪くなる。寝起きが悪いと一日の生活の質も悪くなるという悪循環を招く。
・良い睡眠は元気の味方である。良い生活習慣の確立は子どもたちが受け継ぐ一生物のプレゼントになることを忘れないでほしい。
《保護者から質問》
質問)睡眠の質を上げる方法はありますか。
神川)寝る少し前から室内を暗くし、テレビを消すなど静かにする。夜暗くなりメラトニンが多く出てくると自然と眠くなってきます。朝起きられない人はいつも決めた時間に起きるよう努力してください。タイマーを上手に利用し、起きたい時間に明かりがつく方法も良いと思います。
質問)寝過ぎはよくないですか。
神川)大人の場合、最初の2,3時間ほど深く眠れればその後は浅くても大丈夫ですが、子どもの場合は5,6時間の睡眠でも足りません。寝過ぎも良くないですが、やはり睡眠不足が心配です。大人も子供も、その日のうちに早めに寝るようにしてください。一ヶ月の努力で睡眠不足は良くなります。20、30分程度の昼寝(仮眠)もいいと思います。
謝辞 齊藤副会長
3.第2回むつみ会委員会 15:30~16:00 (視聴覚室)
(1)校長挨拶
(2)保健厚生部長
生徒保健委員会の活動報告
4.その他
行事の変更について
・寒稽古を1月から12月の特別授業期間中に変更した
第3回むつみ会委員会について
・日時 平成31年2月22日(金) 16:00~
5.閉会挨拶 宮本副会長挨拶